マブールへ向かう船が出る、センポーナ港の魚市場には、セレベス海で獲れた、豊かな海の幸がいっぱいに溢れています。

この市場に、毎日水揚げされてくる魚たちの顔ぶれは、なぜか私たちにとって、馴染み深いものが多いようです。
小型の青魚の類では、鯵、鯖、鰯など、中型のものでは、鰹、ビンナガ、カマスなど、そして大型になると、キハダ、ミナミマグロ、メバチなど。 ほとんどが、旨い寿司ネタになりそうなものばかり。

また、それら青魚の横には、那覇の牧志公設市場でも見られるような、色とりどりのいわゆるサンゴ礁の魚たち、ハタ、ブダイ、ハリセンボン、フエフキダイ、コブシメなども。
そして、大量のエビ、ガザミ、小型のイカの仲間、なかには、富山湾で水揚げされる、日本の季節の風物詩のひとつ、ホタルイカの仲間もいます。

ホタルイカは、たいていは水深200mから 700m程度の、比較的深い海に生息する、小さなイカの仲間です。 あまり泳ぐことが得意ではなく、ふらふらと海中を遊泳する生物(=マイクロネクトン)の習性として、縦方向の海水の移動や、餌であるプランクトンの分布の推移に合わせて、中層や浅瀬にも現れます。
少々古い話ですが、2002年11月に、日本の海洋調査船(白鳳丸)が、スールー諸島の海域の、植物(光合成)プランクトンの分布の調査と報告を行っています。
(出典:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0967064506002980)
それによると、スールー諸島の南東の外れ、セレベス海の北東部、沖合約15Kmの海域の、深度100Mから200Mの有光層の底部において、非常に高い濃度(バイオマス)の植物プランクトン・特に珪藻類の多くが観測されています。

植物プランクトンを、カイアシ・ミジンコ・オキアミなどの動物プランクトンが餌としています。

ホタルイカ の好物は、これらカイアシ・ミジンコ・オキアミなどの動物プランクトン。胃粘膜には珪藻類などの植物プランクトンも多く付着しているとか。(出典:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/publication/kenpou/kenpou-47,57-66.pdf)



マブールのハウスリーフの淵、ドロップオフの始まるあたりは、セレベス海の生き物たちの命の連鎖と循環の始まるところ。 ナイトダイビング(ブラックウォーター・ダイブ)では、必ずやそこで、微細な生き物たちの乱舞する光景に出会うことができるに違いありません。
参照:https://www.shearwater.com/monthly-blog-posts/bonfire-diving/
ブラックウォーター・ダイブは、新月の前後、できれば満潮と重なるタイミングがベストです。

詳しいお問い合わせは、さわみしん shin@xinstec.com までお願いします。
