5D4N アドバンスト・ナイトロックス・レックダイブ IN ブルネイ  

ブルネイの豊かな生態系に溢れる海は、いっぽう、古くからアジア圏の東西を海上で繋ぐ、いわゆるシーレーンの要所でもありました。

今でも多くの船舶が、ブルネイ沖を頻繁に往来しています。

ブルネイの海底に眠る多くの沈船は、モンスーンにあって沈没してしまった船、先の大戦の末期に連合軍の襲撃を受けて沈んだ日本の船舶など、それぞれ様々な運命を背負っています。

今回の企画は、それらの沈船のなかでも、私たち日本人の記憶にぜひ留めておきたい幾つかの沈船や、ブルネイのダイビングを代表する見事な沈船のいくつかなどを選択し、より深く、より長い潜水が可能な上級者を対象にした、特別なツアーパッケージです。

価格はB$1110.- (約87,000円)、全ての現地費用を含みます。(国際航空運賃は含みません。)

参加条件は :

  1. 15歳以上
  2. IANTD認定のアドバンスト·ナイトロックス·ダイバー、もしくは同等の認定を受けているダイバー
  3. IANTD認定のアドバンスト·オープンウォーター·ナイトロックス·ダイバー、もしくは同等の認定を受けているダイバーは参加が可能ですが、無限圧限界を超えてのダイビング はできません。
  4. チェックアウトダイブ、もしくは水慣れのためのダイビングが、深いダイビングの前に必要とされる場合があります。
  5. 一名様より参加が可能です。 ボートの定員は6名までとします。
  6. リブリーザーでの参加もできます。 
ブルネイのダイブサイト全体図、リーフや沈船の数々があります

以下、ブルネイの沈船のいくつかのご紹介です。

American Wreck

以下の表は、ブルネイの主な沈船の詳細です。

日程表です。

ダイビング関連のオプションです。

さらに、せっかくブルネイに来たので、陸上も見ておきたいと思われる方に。

お問い合わせは、さわみしん(sawaumishin@gmail.com) までお願いします。  

以下もご参照ください。

https://xinstec.blog/   

https://www.facebook.com/ボルネオのことなら-Btrip-ビートリップ-112955447069492

5D4N フィッシュ&レック in ブルネイ 

4泊5日、合計6ダイブ、内ナイトロックスで4ダイブ、宿泊と食事までをすべて含んで、B$873(約68,500円)のツアーパッケージです。(現地費用のみ、国際線航空運賃は含まれていません。)

2名様より受け付けます。 1名様でのご参加はB$970(約76,000円)となります。

ブルネイを訪れるすべてのダイバーは、まずはその魚影の濃さに驚かされます。

ドルフィン ©️2019 オーシャナ
ドルフィン内部 ©️2019 オーシャナ
ブルーウォーター ©️2019 Fan Zhang

そして、数々の未だ知られざるマクロスポットがあります。

マクロポイント1 ©️2020 オーシャニック・クエスト
マクロポイント2 ©️2020 オーシャニック・クエスト
マクロポイント3 ©️2020 オーシャニック・クエスト

ボルネオ島の、世界最古の広大な熱帯雨林と、周辺の手付かずの海域とで繰り広げられるダイナミックな生態系が、ブルネイの海でも驚くほど見事に維持されています。

ちょっと視点を引いて、ボルネオ島を遠目で眺めてみると、周辺にはダイバーの聖地がいくつも散らばっていることに気がつくでしょう。

ブルネイ周辺の海域

ブルネイのダイビングは、リーフとレックです。

東西100キロに及ぶ沿岸沿いには、未開のスポットも含め、多くの美しいリーフが点在しています。

数多くあるレックは、それぞれの深度が大きく異なるため、ダイバーの認定レベルによりご選択いただくことになります。

ブルネイのダイビングスポット

下記は、パッケージツアーのサンプルスケジュールです。ダイバー各々のご希望にできる限り沿えるよう、ダイブポイントなど、柔軟に対応します。

5D4N フィッシュ&レック in ブルネイの日程表(サンプル)

使用するダイブショップは、ブルネイでは老舗のオーシャニック・クエスト です。 ナイトロックスなど施設も充実しています。詳細はコチラ→ https://oceanicquest.com/

クリーン・エアステーション
クリーン・ナイトロックスステーション

宿泊は、当ショップに付属するホームステイを使用します。専任のシェフによる毎日のバラエティに富む食事の質と量は折り紙付き。海の食材は、近くに住む漁師からその日に取れたものを調達しています。 ドリンク類も事前にご注文をいただければ対応します

ダイビングに関連する追加のオプションも充実しています。

また、以下はアフターダイブの観光オプションです。 せっかくブルネイ に来たから陸上も、という方にお勧めのショートツアーを用意しています。

以下は、ブルネイにある、楽しい・嬉しい・美味しい・のいくつかのご紹介です。

ペランポン島の砂浜はこんな貝殻がいっぱい
ペランポン島の近辺に出没する川イルカ
フィッシング&釣った魚で晩ご飯
街に出ればスペアリブもある
お洒落なアラブ料理
レアなフィッシュヘッド料理も

茹でたてプリプリ白姫エビ

白姫エビ加工工場のロビー、予約すれば飲茶ランチもできる

ブルネイで訪れるべき7つの場所
ブルネイでするべき7つの事
ブルネイでトライすべき7つの食べ物

お問い合わせは、さわみしん(sawaumishin@gmail.com) まで、 もしくは https://www.facebook.com/shinsawaumi https://www.facebook.com/sawaumi.shinichi からお願いします。

https://www.facebook.com/ボルネオのことなら-Btrip-ビートリップ-112955447069492/?epa=SEARCH_BOX  も立ち上げ中です。  ご期待ください。

Advanced Nitrox “Wreck” Dives in Brunei

Brunei Dive Sites

©️2020さわみしん

Advanced Nitrox “Wrecks” in Brunei

Cement Wreck

Cement Wreck Bow ©︎ 2019 Ram Yoro

Blue Water Wreck

Blue Water Wreck Fishing Net Winch ©️2019 Ram Yoro

American Wreck

American Wreck Bullets ©︎2019 Ram Yoro

Aussie Wreck (WWII Grave)

Aussie Wreck Cabin ©︎2019 Fan Zhang

Petani Mistral (Technical Wreck)

Petani Mistral (Technical) Wreck ©️2019 Fan Zhang

Divers’ Prerequisites : 

  1. > 15 years old
  2. Advanced Nitrox Diver Certified by IANTD or equivalent
  3. AOW & Nitrox Diver Certified by IANTD or equivalent may join but to stay within NDL 
  4. Check-Out Dive or Acclimation Dive may be required in prior going deeper.
  5. From One person, Maximum 6 person per Boat (Surcharge may be applied if only one diver joins.)

Advanced Nitrox “Wreck” Dives Price List

Advanced Nitrox “Tek Lite” Diver Course 

Candidate’ Prerequisites : 

  1. > 15 years old
  2. AOW & Nitrox Diver Certified by IANTD or equivalent
  3. More than 30 Logged Dives
  4. From One person, Maximum 4 person per Boat

Course Fee @ Person

  1. Minimum 4 days, one person is B$1070@pax.  from 2 persons B$963 @pax
  2. Nitrox EAN32 Twin fill is B$20 as an option
  3. Nitrox EAN32 Twin top-up is B$20 as an option
  4. Air Twin top-up is B$10  as an option
  5. Equipment rentals are excluded.
  6. Advanced Recreational Trimix course is available, with an addition of one day. (The cost is TBC dependent on trimix gas used)

Please contact Shin Sawaumi (sawaumishin@gmail.com) for more details.

ブルネイの(川)イルカ・Dolphin in Brunei

どうやら、絶滅危惧種のイラワディドルフィンらしい。日本語ではカワゴンドウ

Most likely this is Irrawaddy Dolphin, Endangered (IUCN red listed).

https://ja.wikipedia.org/wiki/カワゴンドウ https://en.wikipedia.org/wiki/Irrawaddy_dolphin

illustration
生息域
The Habitat
結構カワイイ

マブール その3 海の幸 

マブールへ向かう船が出る、センポーナ港の魚市場には、セレベス海で獲れた、豊かな海の幸がいっぱいに溢れています。

センポーナ魚市場は魚の種類がとても多い・地魚は太っている

この市場に、毎日水揚げされてくる魚たちの顔ぶれは、なぜか私たちにとって、馴染み深いものが多いようです。

小型の青魚の類では、鯵、鯖、鰯など、中型のものでは、鰹、ビンナガ、カマスなど、そして大型になると、キハダ、ミナミマグロ、メバチなど。 ほとんどが、旨い寿司ネタになりそうなものばかり。

一匹@20MYR(=約600円)・活〆はしていない

また、それら青魚の横には、那覇の牧志公設市場でも見られるような、色とりどりのいわゆるサンゴ礁の魚たち、ハタ、ブダイ、ハリセンボン、フエフキダイ、コブシメなども。

そして、大量のエビ、ガザミ、小型のイカの仲間、なかには、富山湾で水揚げされる、日本の季節の風物詩のひとつ、ホタルイカの仲間もいます。

これは富山のホタルイカ

ホタルイカは、たいていは水深200mから 700m程度の、比較的深い海に生息する、小さなイカの仲間です。  あまり泳ぐことが得意ではなく、ふらふらと海中を遊泳する生物(=マイクロネクトン)の習性として、縦方向の海水の移動や、餌であるプランクトンの分布の推移に合わせて、中層や浅瀬にも現れます。

少々古い話ですが、2002年11月に、日本の海洋調査船(白鳳丸)が、スールー諸島の海域の、植物(光合成)プランクトンの分布の調査と報告を行っています。

(出典:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0967064506002980)

それによると、スールー諸島の南東の外れ、セレベス海の北東部、沖合約15Kmの海域の、深度100Mから200Mの有光層の底部において、非常に高い濃度(バイオマス)の植物プランクトン・特に珪藻類の多くが観測されています。

珪藻類・これを動物プランクトンが食す。(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/珪藻)

植物プランクトンを、カイアシ・ミジンコ・オキアミなどの動物プランクトンが餌としています。

カイアシ・ミジンコの仲間・これをホタルイカ などが食す(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ケンミジンコ)

ホタルイカ の好物は、これらカイアシ・ミジンコ・オキアミなどの動物プランクトン。胃粘膜には珪藻類などの植物プランクトンも多く付着しているとか。(出典:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/publication/kenpou/kenpou-47,57-66.pdf)

これもホタルイカ の好物のオキアミ、ヒゲ鯨の餌でもある。佃煮は”アミ”として人間様のご飯のお供。(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/オキアミ)
セレベス海の北部、スールー諸島からマブール海域にかけて、浅い諸島の海域が弧を描き、それに沿って深海の淵が延々と連なる。セレベス海の、多くの海洋生物たちの、ダイナミックな命の連鎖と循環が、ここから始まっている。
ちなみにこれは富山湾。外洋の深海が弧を描いて氷見の辺りにまで届いている。ここに鰤が揚る。そして、滑川の方向に徐々に浅瀬へと向かう。ホタルイカ にとって、この辺りは楽園であるに違いない。

マブールのハウスリーフの淵、ドロップオフの始まるあたりは、セレベス海の生き物たちの命の連鎖と循環の始まるところ。 ナイトダイビング(ブラックウォーター・ダイブ)では、必ずやそこで、微細な生き物たちの乱舞する光景に出会うことができるに違いありません。

フィリピン ・アニラオをベースとする水中写真家、Ram Yoro氏の映像をお借りしました。

参照:https://www.shearwater.com/monthly-blog-posts/bonfire-diving/

ブラックウォーター・ダイブは、新月の前後、できれば満潮と重なるタイミングがベストです。

ブラックウォターダイブは、新月の前後五日間がお勧めです。

 詳しいお問い合わせは、さわみしん shin@xinstec.com までお願いします。

ナイトロックス有ります。

マブール その2

マブールへは、センポーナ港からボートで渡ります。

定期便もありますが、帰島するボートに相乗りもできます。

この島に住むのは、ボルネオ北方の島嶼(現在のフィリピン 南東の海域)から移り住んだ海の民、スールー・バジャウの人々がほどんどです。

子供ができたというのでちょっと立ち寄った、鮪漁師の家。窓ぎわの、夜の闇に紛れそうなのがオヤジと倅。
一家に一艘。これは完成間近のもの。船外ではなく、シングルピストンエンジンを内蔵する。恐ろしく速い。

そして、村は子供達で溢れています。

ドッジボールに興じる。このあと標的の子が泣き出す。
丘に上がった海の民の子供たち、もうすぐ学校に行ける

軍鶏の若いのがいた。

闘志満々。

ブレイクタイムは、地元の甘味でひと息つく。

ABC(アイス・バトゥ・チャンプル)

島の安全を確保するため、約70名の警察官と、数十名(人数は明かされなかった)の特殊部隊が、24時間体勢で、海上と島内とをパトロールしています。

内部の公開はできないので、入口のみ。

マブール その2は、ここまで。 その3へ続きます。

シンズテックは、マブールのダイビングショップ Scuba Buddy と提携しています。 (参照:https://www.scubabuddysipadan.com) 

また、ScubaBuddyは、センポーナにもオフィスがあります。

タワウ空港発着で、交通・宿泊・食事・ダイビング・その他のウォータースポーツなど、全てをパーケージにした、お得なサービスも提供できます。

アクティブ・シニア対象の、ダイバー養成プログラムも、マブールにて開催できます。

是非、お気軽にお問い合わせください。  → Shin@xinstec.com  もしくは、https://www.scubabuddysipadan.com/booking/#page-content まで。

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ナイトロックス有ります
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リクレーショナルからテックまで

マブール その1

マブールは、ボルネオ島の北部サバ州の東方、セレベス海に位置する小島です。 

マブール島の位置(1)

セレベス海は、深度が6200メートルにも達する大海です。

この大海に、北側のスールー海や、東方の太平洋側から侵入してくる表層の海流は、深いセレベス海を横切ることができず、結局は弧を描いて、また元の方角へ反転して帰って行かざるを得ません。

そのようにしてセレベス海は、独自の、隔離された自然環境を古代より保ち、生物学的にもニューギニアやオーストラリアとは異なる、世界でも有数の、海の幸の多様性を誇る海域となっています。 (参照https://ja.wikipedia.org/wiki/ウォレス線)

マブール島の位置(2)

現在、私たちの、海外からボルネオ島へのアクセスは、コタキナバルやブルネイから、また、クチンやミリからも可能です。 

近い将来には、南部カリマンタンに、インドネシアの首都機能が、ジャカルタより移転されることが決定されており、今後の開発が予想されます。

ボルネオに入島したあとの、マブールへのアクセスは、一般的には、島内の空路便でタワウ市に入り、そのあと陸路でセンポーナ港まで移動、そしてボートで島へ、という手順になります。

センポーナ港に着くと、いきなり前方に拡がる大きな海と、そこで海と共に暮らす人々の、圧倒的な気配に包まれます。

外洋に出る漁船・小規模な定置網を積んでいる
魚市場には、鰯・鯵・鰹・鮪・ハタ・クエ・モンゴイカなど、馴染みの魚が溢れている
海の民の、手作りの船がある・かっこいい

センポーナは、小さな港町ですが、いつも多くの観光客で賑わっています。

中国本土からの観光客が目立ちますが、国籍は多様で、最近はマレー半島からのお客さんが日増しに増えてきています。

毎日、多くの観光船が港を出航してゆき、近隣の島嶼の白い砂浜や、透けて見える浅瀬などで遊ぶことができます。 

スピードボートで島に上陸
サンゴ礁でのお散歩
ボヘイデュラン島の丘の上からの一望・ここは大昔にできた巨大火口らしい

そして、夜は当然、豊かな海の幸の数々を、思う存分に味わうことができます。

ウニ
あれこれ

センポーナの沿岸地域や、沖合の島嶼のそれぞれには、バジャウ、もしくはシージプシー とも呼ばれる海の民が、伝統的な、生活のすべてが海とひとつとなった暮らしを営んでいます。

海の民・海上の部落

スールー海から北ボルネオに至る海域一帯は、最近になって、フィリピン 、マレーシア、ブルネイなどと、国ごとの線が引かれていますが、永く海上で暮らしてきた海の民にとっては、そのようなものは無いに等しかったのでしょう。

これら海の民の一部は、観光や、海産物の商売など、本土との繋がりの中で生計を立てています。

バジャウ村の入口ゲート
木陰で集うバジャウの人々・ビジャブはつけていない

しかし、なかには、観光客などの訪れない静かな島かげで、のどかに伝統の暮らしを続けている人々もいます。

丸木舟・見事な手作り
外洋に面したリーフにある小部落・完璧な自然の中で暮らす

そんな中、マブール沖の島嶼のうちのひとつで、数十年前から観光とは無縁に、9を数える親戚一族と暮らす、スールーの末裔の長の家で、温かい歓待を受けました。

そびえ立つ岩肌を背にしたリーフの渚に立つ家・海がわにモスクがある
リーフの魚たちの料理・コメと根菜の主食・小魚の塩辛のようなものを添えて
ドロップオフまで続くリーフ・スピアでちょっと遊んでひと休み
満天の星の夜が明けて。。

マブール その1は、ここまで。  その2へ続きます。

シンズテックは、マブールのダイビングショップ Scuba Buddy と提携しています。 (参照:https://www.scubabuddysipadan.com) 

また、ScubaBuddyは、センポーナにもオフィスがあります。

タワウ空港発着で、交通・宿泊・食事・ダイビング・その他のウォータースポーツなど、全てをパーケージにした、お得なサービスも提供できます。

是非、お気軽にお問い合わせください。  → Shin@xinstec.com  もしくは、https://www.scubabuddysipadan.com/booking/#page-content まで。

ナイトロックス有ります
リクレーショナルからテックまで

どうして今、ナイトロックスなのか

動脈や静脈を流れる血液は、私たちの体の中で、窒素の灌流と拡散が、最も速やかに行われる区分です。

けれども、これまでのところ、ダイビングの計画や管理に使用される一般的なダイブテーブルはもとより、ダイブコンピューター、ダイビング計画ソフトウェアなどのベースとなるアルゴリズムには、実は、この肝心の血液は含まれていません。

上記の図は、血液ほどではないものの、主要な内臓や神経系統(脊髄につながっている)など、いわゆる”かなり早い組織”の区分を理論的に想定し、窒素の灌流と拡散の推移を、深度と時間軸の中で類推したものです。

内臓などを司る神経系統 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/自律神経系

実際のところ、私たちの体は千差万別で、それぞれの人の、心臓からの血液の拍出量や新陳代謝レベルなどには個人差もあり、これらの理論上の推移が私たちの体の中で、この図どおり、忠実に起こっているかどうかは明らかではありません。

けれども、この理論的な類推によれば、これらの”早い組織”の区分は、潜行を始めてから2分後には、飽和レベルはすでに50%に達し、12分後には完全な飽和に達しています。

そしてこの深度に止まる限りは、灌流と拡散が均衡した飽和の状態となっていることを、明らかに示しています。

この、”かなり早い組織”が、完全に飽和し、そして均衡状態となる深度は、たったの5.5メートルに過ぎません。

そしてこのことは、この5.5メートル深度からの水面への浮上は、このように飽和に達している”かなり早い組織”の区分にとっては、実は、注意深い減圧の手順が必要なプロセスであることを教えてくれています。

近年、深度3メートルでの減圧停止が必須とされ、ゆっくりした速度での水面への浮上が、強く推奨されることになってきている所以でもあります。

安全なダイビングを、真摯に旨とするダイバーの方々は、深度3メートルから水面への浮上を、約1分間ほどかけて行うことを実践しています。

これは具体的には、3メートル=300センチを1分=60秒かけて浮上する、つまり毎秒5センチの速度での浮上です。

私たちの血液、最も早い組織の区分は、地上の大気圧下では、すでに飽和しています。

地上大気圧下(絶対圧1)での空気の呼吸

この図では、水色の部分を一貫して窒素が占め、そして一番右の静脈血の圧力、つまり、私たちの体組織で酸素を使用し、エネルギーを燃焼させた後の血液の圧力は、その酸素が燃焼に使われた分だけ、負圧になっているのが分かります。

この負圧の部分を、酸素ウィンドウと言い、これにより、肺胞で2酸化炭素と酸素のガス交換が行われることになります。

もうお気づきと思いますが、この酸素ウィンドウが大きくなればなるほど、ガス交換がより多く効率的に行われ、ことダイビングにおいては、窒素の排出が、より速やかに行われる、ということになります。

水面下6メートル(絶対圧1.6)でのナイトロックス32%の呼吸

このように、あらかじめ酸素の分圧を上げ、窒素の分圧を下げた呼吸ガスであるナイトロックスは、私たちの肺胞でのガス交換の効率を、特に水面下、すなわち高圧の環境下では、飛躍的に高めることができます。

ナイトロックスは、古くは1800年代から、様々な実験や開発が進められてきました。

ダイビングへの本格的な応用に至る経緯は、1970年代に、NOAA(National Oceanic and Atmospheric Administration, アメリカ海洋大気庁)によって、ナイトロックスの科学的な使用の開発が着手されたことを端緒にしています。

そのNOAAに、当時永年の勤務をしていた、ディック・ルコウスキ氏が退職し、1985年に自ら設立したのが、IAND(現在のIANTD・インターナショナル・アソシエーション・ナイトロックス・テクニカル・ダイバーズの前身)です。

今、IANTDでは、永年にわたるナイトロックスの実践経験と築いてきた知識を、一般的な、いわゆるリクレーショナルダイビングの分野での安全管理にも活かすべく、ナイトロックス・ダイビングの教育と普及に尽力しています。

お問い合わせは、さわみしん sawaumishin@gmail.com までお願いします。

減圧障害の危険性を知り、そしてそれを避けるために 

IANTDは、減圧理論とその実践を、エントリーレベルも含めた、全てのダイビングの講習に取り入れています。

なぜなら、全てのダイビングは、水面下という、私たちが暮らす地球上の(約)1気圧より高い環境圧下で行うスポーツだからです。

IANTDは、たった一件の事故を起こすよりも、講習中においては、十分に注意深く、そして厳しいトレーニングを行った方が良い、との強い信念を持っています。

IANTDの全ての講習は、購入することは可能ですが、認定は各自の努力によってのみ、可能となります。

以下の講習プログラムは、現在のところ、ブルネイにての開催を想定しています。

オープンウォーター&ナイトロックス・コンボ

  • 15歳以上を対象
  • 最低3日間
  • 最低5ダイブ
  • 最大深度21M
  • 自己依存及びレスキューを含む
  • 減圧手順(ナイトロックスを使用)
  • 最少催行人数2名
  • 参考価格 B$670

アドバンスト・オープンウォーター&ナイトロックス・コンボ

  • オープンウォーターダイバーを対象
  • 最低3日間
  • 最低5ダイブ
  • フリーダイビング
  • 減圧手順 (ナイトロックスを使用)
  • 最大深度30M
  • 最少催行人数2名
  • 参考価格 B$670

ディープ&アドバンスト・ナイトロックス・コンボ(イントロテック)

  • ナイトロックス&アドバンスト・オープンウォーターダイバー
  • ダブルタンク、あるいはシングルタンク+減圧タンクサイドマウント(6L以上)
  • 減圧手順 (50%ナイトロックス、もしくは純酸素を使用)
  • ガスブレンド・ベーシック
  • ソロダイブ・ベーシック
  • 最低4~5日間
  • 最低6ダイブ
  • 最大深度42M
  • 最少催行人数2名
  • 参考価格 B$880

他指導団体からのインストラクター・クロスオーバー

  • 講習内容は、参加者の技術・経験レベルによります
  • 基本の講習期間は6日間
  • 参考価格 B$1164

お問い合わせは、下記までお願いします

Shin Sawaumi

さわみしん
IANTD Instructor Trainer #696 

shin@xinstec.com
+673 826 0422

窒素の循環について

水の面(おもて)に浮かび、空を見上げると、そこには雲がなびき、そして遥かどこまでも青い空が拡がっています。

私たちが暮らす、地表を覆う膨大な量の大気の組成は、窒素(N2)が78.1%、酸素(O2)が20.9%、アルゴン(Ar)が0.9%、そして二酸化炭素(CO2)が約0.03%で占められています。

私たちが、普段、呼吸というものを意識するとき、それは大気中の20.9%の酸素を、鼻や口から吸って、体内に取り込み、隅々の体組織で栄養を燃やし、そして廃棄物としてできた2酸化炭素をまた鼻や口から吐き出している、というふうに思いがちです。

決してそれは、間違っているというわけではないのですが、大気中に実は78.1%も含まれている窒素については、知ってはいるものの、呼吸としては意識をしていないか、あるいは意識していても、体内を素通りする、私たちの体にはゼンゼン役に立っていない、言ってみれば、まあどうでもいいようなガス、というのがせいぜいのところではないでしょうか。

私たちが、地表で呼吸する大気の圧力は1気圧(1013hPa=760mmHg)です。

従って、私たちは1気圧の大気に囲まれて暮らし、1気圧の大気を呼吸して体内に取り込んでいます。

そして、私たちのからだは約70%が水分で、あと残りの大部分がたんぱく質でできています。

上記の図は、私たちが大気を体内に取り込んだあと、大気を構成するガスのそれぞれが、どのように変化するかを、それぞれの圧力(= 分圧)で示したものです。

確かに、私たちの肺に取り込まれた大気のうち、緑色の部分、すなわち酸素だけが、肺胞で分子となり、動脈を経て体組織に送られ、そこでエネルギーの燃焼に使われ、そしてその結果、心臓に戻る静脈血の圧力が全体として下がり、いわゆる負圧の状態になっていることが見てとれます。

この酸素が、体組織で燃焼に使われて生じる、大気圧に対しての負圧部分(=オキシジェン・ウィンドウ)が、物理的に肺胞での静脈血に含まれる2酸化炭素を排出させ、そして呼気に含まれる酸素と置換させる、いわゆるガス交換の働きを成り立たせています。

では、その間に窒素の方はどうなっているかというと、吸気から肺を経て、分子となり、延々と体内の血液や組織を循環をした挙句の果て、肺に戻り、呼気として排出されるまで、一切の変化はありません。

そして, その体内の窒素の圧力(=分圧)は、地表における大気中の窒素の圧力(=分圧)といつも完全に釣り合いが保たれています。

言い換えれば、地表で暮らす私たちの体内の水分は、いつも窒素で飽和されている状態であるということができます。

私たちの、外呼吸、つまり肺における2酸化炭素と酸素のガス交換が、体内でのエネルギー燃焼によって消費された酸素の負圧(オキシジェン・ウィンドウ)によって正しく行われるには、それ以外のガス、この場合は窒素の分圧に変化があっては不都合です。

窒素、ナイトロジェン、元素記号 ”N” は、私たちの体の水分以外の約20%、すなわちタンパク質を構成するためには、なくてはならない元素です。

それにもかかわらず、私たちは、自分のからだを通過してゆく窒素をうちに取り込んで、そして体を作るタンパク質にしてしまうことはできません。

地表で暮らす私たちにとって、それは、呼吸を行うための、原理的な条件であり、地表で呼吸をして、命をつないでゆくための原則、言ってみれば命の掟のようなものでもあるとも言えます。

水面で、頭をもたげて見上げた大きな青い空から、目をもとの水面に戻すと、そこにはすぐ鼻の先から、延々と平たい水の面(おもて)が、遥か彼方の水平線にまで拡がっています。

果てしなく広く拡がる、この地表の70%以上を占める水面の下に、淡々と深く水を湛える海のなかでは、微小で原始的なバクテリアから始まり、果ては大型の海洋生物、そして今、水面に浮かんでいる私たちにまでに至る、延々と繋がる生命のドラマ、宿命としての生死の連鎖がダイナミックに展開されています。

大気に含まれる窒素は、海洋の、身近なところでは、シアノバクテリア (藍藻)の一種であるネンジュ藻、また、表層の温度が比較的高く保たれている南シナ海などにおいては、やはりこれもシアノバクテリア の一種、ユレモの仲間でもあるトリコデスニウムなどの、まさにミクロの原核生物たちによって、還元され、食物連鎖の始まりであるアンモニア(NH3) が、ひたすら合成され続けています。(窒素固定)

ネンジュ藻
トリコデスニウム

(参照:https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2018/20180706.html)             (参照:https://www.jst.go.jp/pr/announce/20140422/index.html)

アンモニアは、海の水に溶けることにより、食べられるアンモニウムイオン(NH4) となり、それをまずは、おなじみの緑色した植物プランクトンたちが、同じように海に溶けている栄養分(リン・ケイ素など=栄養塩)とともに取り込みます。

そして植物プランクトンたちは、燦々と降り注ぐ太陽光のエネルギーを全身で謳歌しながら(光合成、CO2+H2O)、有機物(C6H12O6など)を作り出します。  (炭素固定)

植物プランクトンの炭素固定

(参照:https://www.jamstec.go.jp/j/about/)

植物プランクトンの作り出す有機物、このブルーカーボンとも言われるミクロの食物から、すべての海の動物たちの、延々と繰り広げられる生存のドラマ、食物の連鎖が始まっています。

食物連鎖ピラミッド

これらの植物プランクトンの活動領域である海洋の表層に潜り、水面に浮かび、時には空を眺めることもできる私たちは、当然、海からの食の恵みをも受けており、そこに生息する多くの動物たちと同様に、その生と死の連鎖の中で、いつも一生懸命に頑張って生きて行こうとしている、と言えます。

そして、もう一つの忘れてはならない重要な側面は、上記の図の左側の、これらの様々な生き物が、生存中に排泄したり、挙句に死んだりしたものが、また分解されて、元の栄養塩にまで回帰してくるループが、紛れもなくあるということ。

この、様々な海の動物たちの排泄物や死骸の分解といった、回帰のループを担う大仕事もまた、実は、名も知らぬミクロのバクテリアたちによって行われています。

決して派手ではありませんが、ダイナミックで大切な海の生命の循環の、欠くことのできない大切な一部と言えます。

この分解が行われる過程で、海洋のなかで再生された窒素ガスは(脱窒)、海面に戻り、そこから大気に回帰し、天高く空いっぱいにまた登ってゆきます。(窒素循環)

(参照:(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/15/2/15_2_98/_pdf)

いっぽうで、動物たちの排泄物や死骸は、次第に凝集し,これらのミクロのバクテリアや動物プランクトンたちによって、ゆっくりと消費され、分解されながら,また栄養塩に戻りつつ、海洋の深いところへと降りてゆきます。

どこまでも、どこまでも深い海の中へと。

地表を広く大きく覆う海洋のうちで、最も深いところとされているのが、私たちの日本列島を南方に、たかだか約1200キロほど南へ辿ったところ、グアムやサイパンなどに近い、マリアナ海溝のチャレンジャー海淵です。

ここの深さは、なんとおよそ10920メートルほどにも及んでいます。

そんなにも深く、果てしない闇のような世界で暮らす生きものたちは、いったいどんな姿をしていて、そしてやはり、みんな一生懸命に、ガンバって暮らしているのだろうか、と思うダイバーの方々も多いと思います。

最近では、2012年3月にアメリカの映画監督、ジェームスキャメロン氏がここへのソロダイブを、7年もの年月をかけ、巨費を投じて作り上げた、重装備の潜水艇で試みています。

しかし、せっかく地上の叡智をふり絞って作り上げた潜水艇も、超高圧下(1093気圧!)という大深度での過酷な条件には、しっかりと耐えきることはできなかったようです。

外部に取り付けた、油圧で作動するアームが液漏れを起こし、ふんわりと積もり積もったやわらかなシルトの海底を引っ掻き回し、そして視界不良に陥り、挙げ句の果て、アレコレと生物を採集することもままならなくなって、結局は予定を切り上げて、とっとと浮上して来ざるをえなかったとのこと。

しかし、ともかくも無事に生還したキャメロン氏が、待ち構えていたカメラの前で語るには。。

”そこはとても荒涼としていて、とても不毛なところ、とても隔離されていて、私の感じでは、すべての人間的なものから完璧に隔離されたところ、まあ言って見れば1日かけて宇宙に行って、そして帰ってきたような感じでした”  とのこと。

そんな深海で、彼が分厚いサファイアグラス越しに見たものは、海の分解屋さんとも言われているような、プランクトンの死骸などをせっせと食べている、体調2.5センチほどのヨコエビ君の仲間(カイコウオオソコエビ)しかおらず、かろうじての成果としては、深海の柔らかいゼラチン質のような海底の泥から採取した、数種のバクテリア類を持ち帰ることができたようです。

カイコウオオソコエビ君

(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/カイコウオオソコエビ)

とっとと浮上してゆく、モノモノしい塊を見上げて、深海のヨコエビ君たちは、ふーん、あれもなにかのうんこだったのかな~、とか言いつつ、またそこいらのプランクトンの死骸などをガシガシと食べ続けたことでしょう。