CCR(閉鎖式回路リブリーザー)の呼吸について

CCR(Closed Circuit Rebreather、クローズド・サーキット・リブリーザー、閉鎖式回路リブリーザー)では、水中に持ち込んだ呼吸源のガスを、使い捨てにすることなく、循環させています。

これは、一般に普及しているOC (Open Circuit、オープン・サーキット、開放式回路)のダイビングでの、呼気をすべて水中に放出してしまう仕組みとは、大きく異なっています。

OCのダイビングでは、通常、呼吸源のガスをシリンダーに充填し、それを水中に持ち込み、そしてダイバーが置かれた水中の環境圧で問題なく呼吸できるよう工夫された器具(=レギレーター)を使用しています。

その為、水中での呼吸源のガスの使用量、もしくは潜水可能な時間は、ダイバーの呼吸量と、その潜る深度に比例することになります。

そしてまた、OCのダイビングでは、呼吸する度ごとに肺の体積が増減し、したがって水中でのダイバー自体の体積が増減する為、浮力の微調整を習慣的に肺で行い、その結果、主に肺での外呼吸、つまり、肺でのガス交換のみに意識が集中する傾向があります。

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/流体力学

いっぽう、CCRでのダイビングでの呼吸は、それぞれ完全に閉じた3つのループによって構成されています。 

まずひとつ目の呼吸ループは、CCR機器それ自体で、これはダイバーの体組織でのエネルギー燃焼に使用される純酸素、それを適切かつ安全な酸素濃度で呼吸するための希釈用ガス、呼気に含まれる2酸化炭素を吸収し除去するキャニスター、そしてそれら全てを自律的にモニターし管理する機構、などで成り立っています。

純酸素と希釈用ガスは、OCと同様に、それぞれ別のシリンダーに充填して水中に持ち込むことになりますが、呼気に含まれる、体内組織の燃焼に使用されなかった酸素を、水中に放出することなく再利用するため、これらのシリンダーの容量は少なくて済みます。 一般的には、2リットルもしくは3リットルのものが使用されています。

2つ目の呼吸ループは、ダイバーの肺で行われる、酸素と2酸化炭素とのガス交換のループ、いわゆるヒトの外呼吸です。

CCRには、呼吸が機器のループ内で適切に無駄なく循環するために必要な、カウンターラングという、もうひと組の外部の肺の機能が取り付けられています。  このおかげで、水中のCCRダイバーの体積は、呼吸による影響を受けず、従ってある一定の深度では、その環境圧に応じた一定の体積を維持することができます。

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/静水圧平衡

そして、3つ目の呼吸ループは、ダイバーの体内の血液の循環系統と組織の隅々とで行われる体内呼吸のループ、すなわちヒトの細胞呼吸、いわゆる内呼吸です。

上記の三つの閉じた呼吸ループによって呼吸するCCRダイバーは、従って、自身の体内組織における呼吸の状態を、安定的かつ良好な状態に保つことに自ずから意識を置くようになります。 

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/呼吸

これは、具体的には、体内でのエネルギーの燃焼効率(=メタボリズム)や、血中酸素飽和度、血液中の2酸化炭素の分圧など、自身の体内での呼吸の状態を、安定的かつ良好な状態に保つために必要なさまざまな条件に、習慣的に十分な気を配ることを意味しています。

このことは、ひいてはCCRダイバーは、その自身の自律神経系の安定性までもを積極的に管理する能力や習慣を身につけることにもつながっていきます。

投稿者:

さわみしん

ボルネオ島の出入り口、ブルネイにいます。世界最古の生態系を誇る熱帯雨林を背に、前に南シナ海が開けています。ここはアジア・モンゴロイド圏のほぼ中央に位置し、古くより四方との交易の要所の役割を果たしてきました。 そして多くの民族や文化の交わりが幾多の波乱の歴史を産み、今もその躍動は継続しています。 南方にはスンダ列島、そしてはるか東方には台湾や日本が臨まれます。 

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