ボルネオの、海や、熱帯雨林は、実は半端じゃない。

ボルネオ島の熱帯雨林は世界最古です。なんと遥か、約1億4000万年も前からのもの、と推定されています。

そのような、遥か大昔のボルネオは、現在のジャワやスマトラとともに、インドシナから東に広がる、半島の高地一帯を占めていましたが、最後の氷河期(7万年から1万年前)が終わる時期に、海面が上昇し、現在の島の大きさになったとされています。

そして、この島は約1億年にわたって、その位置をほどんど変えることなく今に至っているのだそうです。

なるほど、そう言われてみると、私たちがいつもは何気なく、南シナ海やタイ湾と呼ぶ、ボルネオ島の北側の比較的浅い海域は、実は、かつては陸続きだった半島の低地部(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/スンダランド)が水没した結果できた、なんとも由緒ある海域であったことに気がつきます。

するといつしか、この浅い海域のそこかしこでは、その後も延々と歳月をかけ、プランクトンなど、微かな、しかし膨大な量の生命が、燦々と眩い熱帯の太陽のもと、ひたすら光合成を行ない、地球を酸素で満杯にし、そうして、私たちが暮らす今に至ってもそれは変わりなく、連綿と継続されてきている、という思いが湧いてきます。

そして、ブルネイという、ボルネオ島にある小さな王国が、今、自国の富として算出する化石燃料である石油や液化ガスなどは、ボルネオを取り囲む、そのような海の自然が、その遥かな歳月をかけてもたらしてくれたものであるということも、あ~そうなんだ、と理解ができます。

一方、島の東側に目を転じると、マブールやシパダンのある、深度がなんと6200メートルにも達する深い海、セレベス海が広がっています。

そこでは、フィリピン海側から侵入してこようとする海流は、深いセレベス海を横切ることができず、弧を描いてまた元の方向へ反転せざるを得ません。

ボルネオ島は、そのようにして、セレベス海によって隔離され守られた環境を保ち、生物学的にも、ニューギニアやオーストラリアとは異なった、固有種や独自の生態系を保ち、維持しています。             (参照;https://ja.wikipedia.org/wiki/ウォレス線)

また、ボルネオ島の海岸線全体は、ほぼ泥炭湿地林で占められています。

泥炭とは、生涯を終えた樹木が、水と酸欠によりバクテリアなどで分解されずに、木質ピートとして堆積したものです。

熱帯雨林自体は、多雨が腐葉土を、ほとんど全て海へ流してしまうため、極めて貧栄養なのですが、フタバガキ(双羽柿)など、数多くの見上げるような高木が茂り、それによって太陽をほどよく遮る、いわゆるシャドーフォレストの環境が造られ、多くの鳥類や小動物を集めるなどして、独自のエコシステムが、見事に維持されています。

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